三井ホームの住宅はデザイン性が高く、外壁にリシン壁や吹き付け塗装仕上げが採用されているのが特徴です。
細かい凹凸を持つ外壁は質感に優れる反面、ひび割れが生じやすく、塗料の密着不良や膨れに注意が必要です。艶の強い塗料を使うと既存の風合いを損なうため、艶消しまたは三分艶の塗料で自然な質感を保つのが適しています。

また、外壁表面の複雑な形状により、塗布面積が広く見積もりが高額になりやすい点も考慮が必要です。

パナホーム（現パナソニックホームズ）の外壁は、光触媒タイル「キラテック」やハイセラコート仕上げなど、非常に耐候性の高い外装材が採用されています。
キラテック外壁は、紫外線や雨水で汚れを分解・洗浄するセルフクリーニング機能を持つため、基本的に塗装は不要です。

一方、ハイセラコート仕上げの外壁は塗装可能ですが、表面のコーティングの劣化具合によって施工方法が異なるため、ふき取りテスト（密着確認）を行って判断します。
また、屋根材の状態によっては、塗装ではなく葺き替え・カバー工法が適している場合もあります。

両メーカーの住宅は、工場生産による精密なユニット構造で建てられており、外壁には塩ビシートや金属系、樹脂系パネルなど多様な素材が使われています。
そのため、素材ごとに塗料の密着性や耐候性が異なり、部分ごとの施工方法を変える必要があります。

加えて、屋根瓦や笠木などの金属部の色褪せや錆、ベランダ外壁や水切り上部のひび割れなど、外装全体の細部までチェックすることが大切です。

外壁内部に金属部材を含むヒートブリッジ構造が採用されており、熱によって塗膜が膨れやすい特徴があります。
サイディングも厚く、コーキングの撤去や打ち替え時に外壁を傷つけないよう慎重な作業が求められます。

また、外壁材によっては塗装が不向きなタイプもあるため、状態に合わせた塗料と施工方法を選ぶことが必要です。

へーベルハウスの外壁は軽量気泡コンクリート（ALC）パネルで構成されており、耐火性・断熱性に優れる一方で、経年によって表面のひび割れや目地の劣化が起こりやすい構造です。
ALCは吸水性が高いため、防水性能を維持するために塗膜の健全性とコーキングの密着性が特に重要です。

また、屋上防水を含む建物全体の防水メンテナンスも定期的に必要です。
付帯部が少ない構造のため、一般的な住宅よりも施工費用が抑えられる傾向があります。