パナホーム【外壁塗装前に知っておきたいポイント】ここが大事!
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ナショナル、現在パナソニックのグループハウスメーカ、パナホーム。
パナホームにお住まいの方でこれから外壁塗装をお考えの方に、失敗しない外壁塗装をするために「ここだけは押さえておきたい」ポイントをご紹介します。
パナホーム施工のお住まいの塗装・塗り替えで注意したい4つのポイント
1,キラテックの外壁に塗装は不要
パナホームの新しい外壁材でキラテックというものがあります。
これはタイルに光触媒加工が施されており、耐久性は勿論の事タイル表面の光触媒加工により親水性を保つことで雨で汚れが流れ落ち構造になっています。
無論タイルなので外壁塗装の際にこの部分の塗装は必要ありませんが、稀にタイル用の塗装を勧めてくる業者もいますので、そこはお断りしても問題ないと思います。
またキラテックの外壁をメンテナンスする場合の注意点としては、付帯部など(雨樋など)を塗装する際に、キラテック表面に塗料が付着しないようにしっかりと養生をすることが必要です。
付帯部には溶剤系の塗料を使用するため、キラテック表面に塗料が付着しないよう注意が必要です。付着した場合、シンナーでふき取ることになりますので光触媒加工にも影響を及ぼすことが予想されます。
2,ハイセラコートの外壁はふき取りテストを実施して施工方法を判断
無機サイディングというとピンと来ないかもしれませんがパナホームにお住まいで外壁塗装をお考えの方には「ハイセラコート」といえばお分かりになるのではないでしょうか。
このサイディング材は、新築時には塗装が不要という触れ込みだったと思いますが、築年数が15年ほど経つとなぜかパナホームから外壁塗装メンテナンスの提案が来るようです。
ハイセラコートの外壁写真です。築10年ほどの建物です。 |
この外壁材の塗装は業者によって以下のように見解が分かれます。
・無機サイディングであるため塗装不要
・塗装必要
・ふき取りテストの結果で可否が決まる
つまり、塗装できるという業者とできないという業者が混在するのが現状です。
お客様としては悩みますよね。結論としては、「ふき取りテストの結果で可否が決まる」ため、その結果を踏まえて判断をしていくことになります。
3,塗装をする場合、高密着性シーラーを選択する
ふき取りテストとは外壁の目立たない箇所にてシンナーなどを使って外壁の塗料を擦って塗料か付着するかどうかを確認するテストとなります。テストの結果は、
・付着する ⇒ 外壁塗装可能
・付着しない ⇒ 外壁塗装不可
となります。
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ふき取りテスト中の写真です。 |
こうしたテストを行い外壁塗装前に塗装の可否を確認します。
それでは塗装不可となった場合はどうするのでしょうか?
ふき取りテストの結果、塗料が付着しなかった場合・・・
①外壁は塗装せず、それ以外の部分で塗装や工事が必要な部分のみ行う
②高密着性の下地処理剤を使用し外壁塗装を行う
このいずれかとなります。
【①を選択した場合】
いわゆる外壁塗装工事の中には外壁以外にも塗装する部分がいくつかあります。
付帯部と言われる雨戸や雨樋、軒天場や鼻隠しといった外壁に付帯する部分です。
こうした箇所は劣化が進みやすく塗装や板金が必要となります。
それと外壁の目地部分にはコーキング(シーリング)の打ち替えも必要となりますね。
![]() ①施工前、コーキングがひび割れていました。 |
![]() ②カッターで古いコーキングを撤去します。 |
![]() ③マスキングです。 |
![]() ④プライマーを塗布します。 |
![]() ⑤コーキングを充填します。 |
![]() ⑥へらを使って押さえます。 |
![]() ⑦マスキングをはがします。 |
![]() ⑧完了です。 |
こうした外壁の目地は必ず劣化しますので打ち替えや補修が必要となります。
【②を選択した場合】
以前はパナホームの外壁(ハイセラコート)は塗装できない、塗装しても近いうちはがれてくる、というのが業界の常識でした。しかし最近になって高密着性のシーラーが塗料メーカーから販売されるようになり塗装が可能という意見のほうが多くなってきました。ただこのあたりは実際に塗装して年数が経ってみないと検証できないため判断が難しいところですね。
また高密着性シーラーもどのメーカーの商品を選択するかも重要となってきます。
ここまで外壁塗装に着目してお話してきましたが以上の点に注意して業者選択、外壁塗装の仕様をしっかりと確認する必要があります。安心して任せられる業者選択が最も大切ですね。
さらに次は屋根について・・・。外壁だけではなく建物を守る、寿命を延ばすという点では屋根工事も非常に重要なポイントです。
4,屋根は劣化具合、雨漏り有無が起きていないか点検の上施工する
屋根には大きく分けて「瓦」と「スレート」があります。瓦の場合は塗装する必要はありませんが雨漏り等を起こしている場合は葺き替えが必要です。
スレート屋根、いわゆるカラーベストやコロニアルといった屋根材の場合は塗装もしくはカバー工法、場合によっては葺き替えが必要となります。通常外壁塗装と屋根工事は同時に行います。これは足場費用を抑えるため同時施工が得策な為です。
【屋根工事①:屋根塗装】
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しっかりと高圧洗浄で汚れや浮いた塗膜を洗い落とします。 |
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下地処理:シーラー塗布1回目です。 |
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下地処理:シーラー塗布2回目です。 |
ここでのポイントは千寿後の下地処理。下地の劣化が進んでいる場合は複数回シーラーを塗布する必要があります。飴色になるまで場合によっては4~5回塗装する場合もあります。
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仕上げ塗装1回目です。 |
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仕上げ塗装2回目です。 |
こうした手順で屋根塗装は完成します。
【屋根工事②:カバー工法】
施工前です。 |
ルーフィングと言って2次防水を行います。 |
ガルバリウム鋼板をしたから組み上げます。 |
カバー工法完了です。 |
カバー工法にも種類はありますがこうした工法を用いることで雨漏りの心配もなくなりますし屋根塗装も今後は基本的に必要なくなります。
パナホームで外壁塗装をする場合の費用の目安
実際にパナホームにお住いのお客様からご相談を受けました。パナホームの外壁塗装見積もりはダブルコート10年保証となっており合計6回もの塗装を行う仕様となっていました。
メーカーの何かしらの見解からそうしたオーバースペックとも思えるような仕様となっているのでしょうが外壁塗装はただ何回も厚く塗れば良いというものではありません。膜厚(塗料の厚み)が厚くなればなるほど剥がれの要因となります。また薄く均一に仕上げたほうが仕上がりが奇麗なのも事実です。差別化も必要ですし手を入れなければならないところは工事すべきですが差別化のために見積もり価格が高額になってしまってはお客様の負担となるだけです。
本来新築時に建てた顧客に対してはもっと安価にサービスするのがビルダーとしてメーカーとしての責任なのではと個人的には考えます。パナホームに限った話ではありませんが殆どのハウスメーカーの外装リフォーム、外壁塗装工事は高額です。「自社の顧客」という視点に立てばもう少し安価であってもよいのでは・・・と感じます。
それはさておきメーカー任せにするのではなく、ご自身でも少し知識をつけて大切な外壁塗装工事を成功させていただければと思います。不安を抱えたまま工事が始まっても心配で仕方ありませんよね。そうならないように慎重に複数社の見積もりから担当者の見解をしっかりと聞いてみてください!
外壁塗装の費用はどの外壁材においても基本的に「使用する塗料の耐久年数」によって異なります。
無論建物の大きさや外壁面積の広さによっても合計の費用は異なりますが、シリコン塗料などの比較的安価なものであれば¥1.700/㎡~くらいが費用相場です。
フッ素塗料や無機系塗料になると耐久年数がシリコン塗料の倍近くとなるため¥3.000/㎡~となります。
また建物保護や内外気の温度差を少なくする遮熱塗料や断熱塗料を使用する場合は¥3.500/㎡~が相場観となります。(いずれの塗料についても基本は3回塗りです)
ただし、パナホームで無機サイディングが使われている場合は、下塗り材に注意が必要です。
密着性の高い適合する下塗り材で塗装しないと、仕上げ塗料も含めて剥離の危険性があります。
この辺りの下塗り材の選定には、先述したふき取りテストや劣化状況(チョーキングの有無など)によって異なりますので、施工店に詳しく確認してみてください。
後は、足場工事やシーリングなど外壁塗装に必要な工事も付帯してきますので、大枠の費用を知りたい方はこちらのクイック見積もりを参考に概算費用の算出にお役立てください。
上記の記事の中でも触れましたがパナホームの外壁は一部剥離や剥がれの不具合が起きている場合がありますので、その部分については張替えや板金補修などの費用が別途必要となります。
パナホームなどのハウスメーカーの保証について知っておくべきこと
どのハウスメーカの見積もりも高いのは周知の事実です。そこにはすでにご存知の方も多いかと思いますが「中間マージン」というものが含まれています。もちろん元受けとしての施工管理、安全管理に費用が掛かることと、ブランドとしての価値を下げないような工夫があるのかもしれません。
しかし工事が終わってしまえばそれほど大きく仕上がりが異なることもありませんのでできるだけ安く外壁塗装、外装リフォームを行いたいというのもお客様心理として理解できます。
ただしここで注意したいのは安ければよいというものではないということです。もちろん先述したようにハウスメーカーのようにただ単に単価が高いというのも考え物ですが、安いからと言って飛びつくのも問題ですね。見積金額が高くなるのであればその理由と明細、つまり工事内容と見積金額のバランスが最も重要になります。
建物に何の不具合もなくただ塗装すればよい、という状態であれば同じ塗料で単価比較をすれば問題は少ないと思いますが、築年数が10年以上経過して何の不具合もない建物を私は見たことがありません。
例えばお客様が気づかないような雨漏れ(室内には漏れていないような場合)があったり、新築時の些細な施工不良が原因で将来起こりうるリスクの回避をするための工事が必要であったりと着眼すべきところは多数あります。
こうした箇所についてはむしろハウスメーカーよりも実際に現場で施工を行い多数のハウスメーカーを手掛けてきた施工店だからこそポイントが理解できるものです。
ここまで、パナホームで施工された住まいの外壁屋根塗装をする上でのポイントを解説してきました。
実際、当社では上記のポイントを踏まえて、パナホームで施工された住まいの外壁屋根塗装の依頼を頂き、満足頂いた実績が多数ありますが、依頼を頂く前にはハウスメーカー保証についてご相談を頂くことがあります。
通常ハウスメーカーの保証というのは、躯体などの構造に対する保証であり、経年劣化に伴う箇所についての保証は、今回の外壁塗装と同様に有償となるケースが多いようです。
メーカーでのメンテナンスを行うことで延長保証が得られるようですが、しっかりその費用も工事代金に含まれているようですね。
2000年以降に建てられた建物であれば構造に大きなトラブルを抱えることは非常にまれで、皆無といっても過言ではないと思います。
例えば柱がゆがむとか、屋根がひずむとかは基本的にあり得ないですよね。
であれば施工実績や信頼のおける会社にメンテナンス依頼することの方が価格的にもメリットが得られると思います。
この点を踏まえて、最終的にどこでメンテナンスをするかを決めていかれると後悔なくメンテナンスを完了することができると思います。