屋根カバー工法を名古屋市でお考えの方は外装リフォーム専門店へ。
屋根カバー工法とは
屋根の種類には洋瓦や和瓦、セメント瓦などがありますが、いわゆる瓦ではなくスレート葺(カラーベストやコロニアルなど)の屋根に金属製の屋根材を重ね葺きする工法です。屋根カバー工法には横葺きや縦葺きがあり屋根材の種類もバリエーションがあります。カラーベストやコロニアルなどの屋根材は軽くて金額的に安く、しかも地震に強いことから新築住宅に多く採用されてきました。瓦と比較して耐用年数が短いことが短所としてあげられますがこの短所を補うために開発された屋根材が屋根カバー工法です。(金属屋根の重ね葺きとも言います。)通常屋根リフォームというと塗装が多く用いられますが劣化の状態がひどい場合など塗装できないケースが少なくありません。
また一番のメリットは葺き替え工事では既存の屋根材を撤去しなければなりませんが既設スレート屋根材の多くはアスベストを含有しているため処分に多額の費用がかかります。屋根カバー工法ではそうした余分な費用をかける事無く、かつ工期も短くできるため葺き替えと比べると安価に施工できます。
◆ 一般的な横葺きの屋根カバー工法です。【名古屋市の事例】 ◆
工事前のスレート屋根です。 | 棟部分の板金を撤去します。 |
ルーフィングシートを下から張っていきます。 | 同様に金属屋根を下から順番に張り上げます。 |
棟板金等の役物を取り付けます。 | 換気棟を設置して屋根の湿気を逃します。 |
こうした順番で施工していきますがこの様な屋根カバー工事で重要なのが通気を確保することです。屋根裏には湿気がこもるので大気へ開放する必要があります。完全に塞いでしまうと下地の腐食の原因ともなりますので注意が必要です。各メーカーより様々なグレードや種類が出ていますので建物に合わせて選択すると良いですね。
◆ 縦葺きの屋根カバー工法です。【岡崎市の事例】 ◆
工事前のスレート屋根です。 | 棟部分の板金を撤去します。 |
ルーフィングシートを下から張っていきます。 | 金属屋根材を順番に敷き並べていきます。 |
棟板金等の役物を取り付けます。 | 棟板金を取り付けて完了です。 |
縦葺きの屋根カバー工法は横葺きと比較して安価な点と屋根勾配がゆるい場合にも施工が可能です。昔ながらのイメージの縦葺きですが最近ではデザイン性の高い建物にも使用される事も多くなりました。
屋根カバー工法は必要な工事なのでしょうか?
業者によっては「塗装で大丈夫です!」と言い切るところもあります。しかしながらその判断が構造や材質の劣化状況、使われている商材まで明確にし、適格な判断であれば塗装で問題無いでしょう。残念ながらそうした業者の中には「塗装が得意だから」「カバー工法に比べ費用が安くで契約しやすいから」という理由だけでそのような提案をする場合も存在します。事実当社のお客様の中には「知り合いの業者に塗装をしてもらったけど雨漏りしてきちゃって・・・」とご相談に来られる方も見えます。カラーベストなどのスレート屋根材の中には材質自体が剥離を起こし何度塗装しても基材から剥がれてしまうため塗装不可のもがあります。(具体的なメーカー名商品名は割愛します)
そのような場合はカバー工法が必須となりますし塗装とカバー工法を比較して間違いないのはカバー工法なのは明確です。但し葺き替えとカバー工法を比較した場合は予算の都合を除き葺き替えをお薦めします。
特に和瓦洋瓦、セメント瓦から金属屋根への葺き替えは屋根が軽くなるため耐震性能も向上するからです。
築年数の古い建物は躯体が脆弱な場合もありカバー工法より葺き替えをおすすめする場合もあります。この辺りの判断は1軒1軒異なりますので、正確な現地調査をした上で最適な工法を選択することが肝要です。
下図は耐震等級を計数化したものですが3段階に別れる等級においても和瓦とそれ以外の場合では設定が大きく異なります。
等級2の和瓦を金属屋根に葺き替えるだけで耐震等級が3にあがります。耐震等級3とは震度7強の地震が来ても倒壊しない強度となります。
屋根カバー工法 「材料と性質」
築年数にもよりますが基本的には一度カバー工法を行えば以後はメンテナンスフリーです。また屋根カバー工法の屋根材の裏には断熱材と遮熱材が貼り付けてあるものが多いので断熱効果があります。夏場の2階の暑さ対策に効果を発揮します。
屋根材表面に「遮熱塗装」を施しているものもあり更なる遮熱効果があります。
種類にもよりますがフッ素塗料を焼付け塗装してあるものもあり汚れがつきにくくかつ、メーカーの赤錆保証が20年付いているものもあります。
どの金属屋根を選んでも基本的にはガルバリウム鋼板が使われています。
このガルバリウム鋼板は端的にいうと鉄板をアルミニウムでサンドイッチした構造になっており基本的に錆びることはありません。但し加工時に切断した部分は錆止めが必要となります。
ガルバリウム鋼板の厚みや表面の塗装に種類がありグレードが高くなるほど厚みが増し、塗料も高耐久のものが使用されています。
屋根カバー工法 「よくある質問」
・Q1「重ね葺きするということはそれだけ屋根が重くなるってことでしょ?地震の時とか大丈夫なの?」
・A1
こうしたご質問をほとんどの方から伺いますがが屋根の構造設計には十分な余力を持たせてありますし、1平米あたり5kgしかありませんので耐震性には殆ど影響ありません。
・Q2
「費用的に随分高くなってしまうんじゃないの??」
・A2
通常屋根リフォームや屋根塗装は定期的に行う必要があります。築30年から40年の間に3回ほどのメンテナンスが必要になりますが、これを全て塗装で行った場合とカバー工法を行った場合とで比較すると屋根カバー工法の方がトータルコスト的には安くなる場合があります。これを「ライフサイクルコスト」と言って生涯建物にかかるコストを合計して計算します。
また、屋根の塗替えは1回目、2回目までは塗装の状態が良ければ比較的問題なく塗装することができますが3回目以降は既存塗膜の劣化により塗装の密着不良が起こるケースが多く見られます。こうした事実を考慮すると築15年頃までにカバー工法を行った場合のほうがメンテンナンス費用を安く抑えられます。
カバー工法には意匠性に富んだものも販売されています。形状は瓦のような形をしており石吹き加工を施されているものもあり金属特有の雨音を軽減し美観性にも優れています。
屋根カバー工法 「注意点」
・屋根が劣化しているのでカバー工法を行うのですが既存の劣化具合があまりに激しいと下地も劣化している可能性が高いため一度下地の状態の確認が必要となります。部分的なものであれば補修も可能ですが全体的に劣化が進んでいる場合はカバー工法よりも屋根の葺き替えが必要になる場合があります。・また屋根の雨漏り防止には瓦やカラーベストの屋根材自体が効果を発揮しているのではなく、屋根材の下に敷いてあるルーフィングシートで雨漏りを防いでいます。このルーフィングシートが25年ほど経つと経年劣化により敗れたり防水機能を果たさなくなってきます。こうなると塗装では雨漏りを防ぐことはできませんのでカバー工法や葺き替えが必要となります。
・「既存のカラーベストなどの屋根材に直接カバーする方法」と「屋根下地合板を張った上にカバーする方法」と2種類あります。工法の違いは既存の屋根の状態を診断しその上でどちらかの工法を選択します。
・太陽光パネルが設置してある場合も施工は可能ですがパネルメーカー及び施工業者の保証が無くなる場合があります。
屋根カバー工法 「価格について」
切妻や寄棟など屋根形状や面積によっても異なりますが概ね¥8.000~¥10.000/㎡の価格となります。選択するカバー工法の屋根材のメーカー、グレードによって若干異なります。金額の中にはルーフィング工事、金属屋根葺き、換気棟取り付け、既設部分解体撤去処分などが含まれます。場合によっては屋根下地補強や下地合板取付が必要になりますので別途費用が必要となります。
屋根カバー工法 「最後に」
建物の寿命を全うさせる、寿命をのばすという意味では雨漏れは大敵です。内装のリフォームを綺麗に行っても雨漏れを起こしてしまえば全く意味のないものになってしまいます。ルーフィングシートには寿命があるという点と塗装では雨漏りは直せないという観点からすると何れかの時点で屋根カバー工法が必要になってきます。長期的に考えることで建物の美観性と建物の保護を両立するためにはこうした方法が不可欠だと思います。最近では外装リフォームでも「塗るより張る」という考え方が浸透してきており屋根カバー工法に限らず外壁のカバー工法の需要も年々増えてきています。
予算の都合もあるかと思いますが是非ご一考していただきたいと思います。
また、屋根カバー工法の工事には足場が必要となりますので外壁カバー工法や外壁塗装工事などと同時に行うことで足場を有効活用し費用を抑えることが可能です。
参考に、弊社で実施したカバー工法の事例集を用意しましたのでご覧ください。