雨漏れ修繕のポイント!ベランダ笠木からの漏水で下地が腐る。
今回は、ベランダ外壁張り替えに関してお話していきたいと思います。
ベランダ外壁張り替えを行う理由としては、雨水が侵入していて外壁内部が腐食しているからです。
腐食しているのに気づかず塗装をしてしまった場合、頻繁に不具合を起こす可能性があります。
例えば、塗膜の剥がれ、膨れ、壁内に侵入した水分が凍結することで爆裂などが起きます。
建物の外観写真。 | ベランダ部分に汚れが見えます。 |
このベランダ、汚れが目立ちますが塗装を行えば綺麗になると思われる方は多いと思います。しかしながら外観からは想像もつかないような現象が外壁内部では起きています。
では、外壁の内部の様子です。
笠木を取り外したベランダ下地の上部。 | ベランダを支える柱の腐食部分。 |
このように、外観からは見えない部分が腐食していました。原因としては、笠木に釘が脳天打ちされていることです。脳天打ちとは笠木の上部から釘が打ってある事を言い本来は上からではなく横から釘を打つ、もしくは下地に笠木の固定金具をあらかじめ取り付けておき、そこへ釘を使わず笠木を固定するなどの方法が正しい施工です。新築時に釘頭に漏水防止策としてコーキングを施してある場合もありますが経年劣化により数年で防水効果を失います。
笠木に上部から釘が打ってある写真です。 | 腐食が激しく笠木が簡単に持ち上がります。 |
木材に釘が打ってありますが木材は伸縮し、建物も普段わずかに動いています。それと同じように、釘も動いてしまいますので釘穴が徐々に広がっていきます。そうすると、広がった釘穴から雨水が侵入し写真のようになります。このように笠木に上部から釘か打ってある場合は、内部が腐食している危険性がとても高いです。
改修方法としては、新しい下地を組み防水紙を貼り、外壁と下地の間に通気層を作り外壁を貼り付けます。
通気層を設けることで湿気が抜けていく構造になっています。ただ、今回は下地を取り付ける柱の腐食が酷く支えが弱かったため柱も新しいものに交換しました。
このように一見すると外壁塗装のみで問題ないと判断されがちな場合でも我々専門家からすると内部の状態が概ね予測できます。部分的な解体工事や修復復旧工事が必要となり費用は掛かりますがこれらを直さずして仕上げ工事を行っても全く意味がありません。
ご自宅の外壁塗装、屋根塗装を工事する前にしっかりとした現地調査、建物診断を行うことをお勧めします。