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ベランダ外壁内への雨水侵入を改修し根本的な解決を行ったうえで外壁塗装を行いました。


リフォームスタジオニシヤマでは最初に現地を訪問させていただいた際に「建物診断」という現地調査をさせていただいております。建物診断とは外壁の表面を確認するだけではなく外壁の内側、壁内や下地の状態、雨漏りの有無など様々な角度から確認いたします。そのうえで最適な工法、材料をご提案させていただきます。
今回はベランダの壁内に雨水の侵入があったため外壁の張替えや下地材の交換、補強、防水シートの張替えなどを行いました。



診断調査

現地調査へ訪問し建物を一目見たときは、シーリングの痛みや色褪せだけかと思いましたがベランダ開口部の下部に雨地ジミが出ているのが気になり、宅内からベランダへ入らせて頂きました。

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こちらは施工前、外観の状況です。 ベランダ全景。




外壁を確認してみるとベランダの開口部の下部に塗膜が浮き上がっている部分が見られました。
やはりといった感じでした。この物件の外壁材の厚みは12mm規格のもので、慢性的な伝い水がある場合はサイディングがボロボロになっていたり、下地に腐食が出ている事が多いです。

実際に検査を行ったところ、あきらかにサイディング自体が吸水していると考えられました。塗膜も湿気によって浮き上がり、浮き上がった塗膜とサイディングの間にはコケ・藻が生えています。

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開口部下部 問題箇所の拡大写真




サイディングが吸水している状態で冬場を迎えますと、水分を含んだサイディングボードが凍結と融解を繰り返して爆裂という症状が発生します。
また、これだけの吸水が見られる場合はビス周辺や笠木の取り合い部分、水切り不良などの構造的な問題が考えられるため、問題部分を修理してから塗装しなければ塗装後数年で同様の症状が再発します。下地の腐食によって外壁の強度が下がっている事も考えられるので一度外壁材を取りはずし下地状況を確認し、腐っているところは交換し、構造的に問題がある箇所は修正を行う必要があります。



外壁の状態としては、白系の外壁が黒・茶色・濃緑色に変色しており外壁材の端末部分と土台水切りとの間にはコケがびっしりと生えており、外壁を素手で触ると湿っている感触が感じられます。まずは、この外壁を解体し下地状況を確認します。


ベランダ解体作業

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問題箇所① バールを用いて外壁材を解体②



本物件の外壁は厚さ12mmの外壁材を横張りし釘打ち固定しています。表面がリシンで仕上げてありますので釘の位置を探すのが大変です。ハンマーでサイディングを叩き振動を与える事でリシンの中に埋まっている釘を露出させ、前もって釘を抜くのですが、水を吸っているサイディングは叩いただけで下部周辺が砕けて割れていきます。どれほど外壁の強度が落ちているのかが分かります。下記写真左はその様子なのですが、サイディングの下側が砕けてなくなっているのが分かります。

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解体中③ サイディング断面状況④



上記写真右側は解体したサイディングボードの断面を撮影した写真です。左側は軽度な物で、右側が腐食の疑いのあったサイディングの断面となります。比較を行うと左側は白っぽい色をしているのですが、右側は黒色に近いような濃色となっています。これはサイディングボードが水をすっている為です。実際に手で少し力を加えただけでサイディングが砕けていきます。サイディング・笠木を解体していくと笠木の下の下地が見えてきます。既存の笠木はアルミ笠木ではなく、ガルバリウムで成型した笠木だったのですが水が回っており下地材に雨地味が見られます。(写真左)また伝い水が酷かった部分については下地・柱共に雨染みが見られました。



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開口部下部⑤ 問題箇所の拡大写真⑥



この状態のまま塗装工事を行うと数年で塗料が剥がれてきます。また原因が改善されていないまま放置を行うと下地の腐食が進行し外壁材の脱落に繋がるので注意が必要です。次はサイディング取り付けを行います。


サイディング取り付け



まず外壁についてですが、ニチハの木目調サイディングの14mmを取り付けました。既存のサイディングに似たタイプの商品もありましたが折角張り替えるのであればデザインも良くしたいという事で結果的に木目調サイディングを選択しました。次に笠木の問題についてですが、そもそも下地の腐食が発生した原因は笠木の構造にありました。雨が降り笠木上に落ちてきた雨水は外壁を伝う事なく地面へ落下するようにするのが通例です。降った雨が笠木から直接外壁に伝ってしまう事を伝い水と言います。長期間にわたって伝い水が続くと、じわじわと雨水が外壁内部へと進行し塗膜を浮かせ下地を腐食させます。ですから今後の腐食発生を防ぐには笠木を伝い水が発生しないような構造に造り替えなくてはなりません。



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外壁貼り付け完成 笠木の問題


笠木は様々なやり方がありますが、今回は曲げ加工をいれて成型を行いました。ガルバリウム鋼板のt=0.35mmの平板をプレスして成型し、天板部分には少し内勾配をつけて笠木とサイディングとの間には発砲ウレタンを注入し強度をだしました。笠木の水切り構造については下記イラストの通り鋭角の曲げを入れる事で水が切れるようにしてあります。



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笠木の構造 イラスト



塗装工事も無事完了し足場解体を行いました。デザインも打ち合わせしていたイメージの通りできあがりました。



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施工前 施工後

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